お嬢様になりたくて言葉遣いの勉強をした話
世の中の男性のほとんどはお嬢様が大好きだ。
もちろん僕も例外ではない。
お笑い芸人のたかまつななさんがブレイクしてお嬢様言葉に注目が集まったが、そんな言葉遣いをしている人を見たことがない。
中学の同級生にお嬢様高校からお嬢様大学に進学した女の子がいるが、そんな言葉遣いしない。そもそも本物のお嬢様は中学校も私立かもしれない。
もはや、お嬢様とはフィクションの存在でしかないのかもしれない。
そんなある日、僕は書店で「お嬢さまことば速修講座」という本を見つけた。
帯があまりにも挑戦的だ。
そして僕はお嬢様言葉を学ぶべく購入してしまったのだ。
前書きにはもっと衝撃的な言葉があった。
”本書は「ブティックやレストランで大きな顔をしたい」という、担当編集者の単純かつ不純な動機から生まれたものである。”
わかる、わかりすぎる。
肝心の講座に入る前の出だしの一文で購入金額のもとは取れるくらいだ。担当編集者氏の下心丸出し加減に胸を打たれた。感動すら覚えた。
しかし、僕はどう頑張ってお嬢様言葉を修得してもお嬢様にはなれない。なれるのはせいぜい気持ち悪いオカマだ。
最後まで読んでみたが、デブのことをふくよかで魅力的などと言い換えるお嬢様流の貶し言葉や困った時は黙り込んで対処を相手に求めるテクニックなどと面白い内容満載だった。特に貶し言葉については場の空気を悪くしないうまい言い換えや切り返し方が載ってたりして、お嬢様言葉を使うつもりのない人でも勉強になった。
最も笑ったのは「おコーヒー」とは言えないからお嬢様は必ず「お紅茶」を注文するという謎のこだわりがあることだ。
そして紅茶が嫌いならお嬢様を装うのを諦めろとまでいう紅茶への執着っぷり。
いいじゃん飲みたいもの飲めば!おコーヒー!僕は目の前で言われても笑わないよ!
今後、万が一お嬢様言葉を使う女性と出会った際に、天然か養殖か見分けるために本書で学んだことを活用したいと思う。
それでは御機嫌よう。