寿司を食べたいと言ったらしゃぶしゃぶに連れていかれた話
僕は刺身が嫌いな友人に「寿司食いに行こう」と言い続けている。
茹でたいかそうめんを食わせた例のヤツだ。
例の記事
彼は別の友人に「寿司嫌い」と言ったら「死ね」と言われたことがあるらしい。彼の人間関係が心配になった。
僕はどうしても彼の刺身嫌いを克服させようとORANGE RANGEの『SUSHI食べたい』を再生し続けた。
ORANGE RANGE - SUSHI食べたい feat. ソイソース
AC部のPVはクセになる。ポプテピピックのアニメでボブネミミッミのコーナーを担当している人たちだ。
努力の甲斐あってか、なんと「SUSHI食べたい」と口ずさむレベルには洗脳することに成功したのだ。
しかし一向に一緒に寿司を食べに行ってくれない。
そんなある日、彼はうちに遊びに来て茹でたいかそうめんを食べた。共に不味いものを食べ、友情を確認したのだ。
ここで僕は次のステップに行けることを確信し、泊まった翌日に再び『SUSHI食べたい』を再生した。恋愛に例えると、ようやく相手が自分のことを意識し始めたかな、みたいなところだろう。
さらに翌日。
こいついつまでうちに居座るんだろうと思いつつ、一緒に外食する機会が訪れたので言った。
「SUSHI食べたい」
彼の答えはNO。
まるで失恋した気分になった。仕方ない。僕がどんなに付き合っちゃえよと周りに囃し立てられてもマツコデラックスと交際できないようなもんだ。
結局、僕は彼の要望通り肉を食いに行くことにした。しゃ◯葉というしゃぶしゃぶのチェーン店だ。僕が普段からシャブ中と呼んでいる店である。
そこで気がついた。
あるじゃん、SUSHI。
し◯ぶ葉ではディナー限定で寿司の食べ放題もやっているのだ。
種類は少ないが、こんな風に紙で注文することができる。串揚げ屋みたいだ。さすがにしゃぶしゃぶ屋なので大トロのようなボスクラスのネタはない。
心なしか嫌そうな顔をしている彼に無理やり書かせて店員に渡すと、無事にSUSHIがやって来た。
友人が頼んだのはエビと玉子だ。
エビは食えんのかよと思った。「寿司のタコって茹でてあるんだぜ」と言ったらタコも食べた。美味しかったらしく満足そうにしていたので頼んで良かったと思う。
きっとこいつは食わず嫌いだ。
メインのしゃぶしゃぶ。
友人が喜ぶと思ったので中身はほとんど肉にしておいた。画像では分かりづらいが、下の方は肉の層になっている。
というわけで、刺身嫌いの友人と寿司を食べるという人生の目標の一つをあっさりと果たしてしまったのである。
地雷ネタを選ばなければある程度は食べられそうなので、今度は人生で一度も行ったことがないという回転寿司に連れて行ってあげたいと思う。
茹でてあると嘘をつけば多分なんでも食べるだろう。
ちなみに彼はしゃぶしゃぶを食べて帰って来てから勝手にワインのボトルを2本空けて僕の部屋で盛大にマーライオンし、やけど、どく、こんらん、ねむりで状態異常のフルコースになっていた。
明日あたり家に請求書を送ろうと思う。
掃除したりなんだので寝るタイミングを逃しました。これからゲロ臭い部屋で仮眠します。